大序曲「1812年」

大序曲「1812」

クラシックの世界では、毎年「○○(作曲家の名前が入る)イヤー」ということが話題になります。通常作曲家の生年や没年からキリのいい年の場合、演奏会などで作品を取り上げられることが多いです。たとえば今年2012年は、ドビュッシー生誕150年、ジョン・ケージ生誕100年などです。

そんなところからふと思い立ったのが、今年は1812年から200年の年だ!ということ。作曲家のメモリアルイヤーは毎年あらゆる人が取り上げられますが、楽曲のメモリアルイヤーはそうはない!ということでぜひとも今回のオーケストラフェスティバルでこの曲を演奏しようと選んだのであります。

ロシア万歳!な音楽

題名の「1812年」は、フランスの皇帝ナポレオンのロシア遠征が失敗した年。この史実に基づいて、モスクワで1882年に開かれた産業芸術博覧会での演奏会用にチャイコフスキーが作曲しました。

この初演の際、同じくチャイコフスキーの「イタリア奇想曲」とともに演奏されたものの、あまり良い評価は得られませんでした。しかし、その後サンクトペテルブルグで再演されたときには大好評となり、現在ではオーケストラの人気レパートリーとしてよく演奏されています。映画「のだめカンタービレ」で、千秋がルー・マルレ・オーケストラを指揮した公演で演奏された曲でもあり、耳なじみのある方もいらっしゃるかもしれません。

曲は、チェロによるロシアの聖歌からスタートします。(この聖歌を、チェロではなく合唱で演奏する録音もあります)勇ましいロシア軍の行進、ロシア民謡を引用したメロディが続いた後、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」が高らかに響きます。ふたたびロシア民謡風の美しいメロディをはさみ、また「ラ・マルセイエーズ」が登場するものの次第に貧弱になっていきます。弦楽器による下降音型の連続が続いた後、冒頭のロシア聖歌が高らかに演奏され、「ラ・マルセイエーズ」に代わって今度はロシア帝国国歌が大音量で演奏され、ロシア軍の勝利が宣言されます。そして最後は、鐘だ大砲だのお祭り騒ぎで終わります。

この曲に指定されている大砲は、もちろん実際の大砲ではありません。(使った演奏もあり、陸上自衛隊の演奏会では空包を使って演奏したことがあるようです) さて本日はどのように演奏されるでしょうか?!終盤に増強される金管楽器群(Special thanks to他団体の皆さん)にもご注目ください。

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