「ぞうのババール」

ぞうのババール

ムジカ第7回は「スプリングファミリーコンサート」と題して幅広い世代のお客様に楽しんでいただけるプログラムをご用意しました。なかでもナレーションつきの音楽物語「ぞうのババール」は、世界中で愛されているお話(原作:ジャン・ド・ブリュノフ)にフランスの作曲家、フランシス・プーランクが曲をつけた楽しい楽曲です。

もともとピアノ用に作曲された曲ですが、のちにジャン・フランセによってオーケストラ用に編曲されました。ピアノだけでは作り出せない多彩な音の響きをお楽しみください。

どんなお話なの?

さて、ババールという象の絵は団員ほとんどが見たことがありましたが、絵本のストーリーは知りませんでした。日本語のナレーションでこの曲をオーケストラ演奏したCDを入手し、練習のときにみんなで聞いてみてびっくり!実はこんな話だったのか…そして差し込まれる音楽も実に描写的で大変面白い!と思ったものです。

さて、ここでそんなこの曲の聴き所を物語のあらすじとともにご紹介します。いわゆるネタバレですので事前に「予習」したくない方はご注意!

「ぞうのババール」あらすじ

ある大きな森にババールという象が生まれました。ババールは砂遊びが大好き、そしてもちろんお母さんが大好きでした。

お母さんはいきなりハンターに撃ち殺されます。撃ち殺されるときの効果音もポイントです!

さてババールはそんなハンターから必死で逃げるうちに街へたどり着きました。そこでやさしいおばあさんに拾われて服や車を買ってもらって優雅な暮らしをします(かなり贅沢三昧だったようで…)。でも時々お母さんを思い出して寂しくなります。

いきなり2年が経過、すると街にババールのいとこのアルチュールとセレストが現れます。ババールは彼らにもいろいろなものを買ってあげますが、森にいるお母さんが心配して探しに来ました。ここでババールも彼らとともに森へ戻る決心をするのです。さみしがるおばあさん、でも仕方がない、元気でねババール!

森の王様が毒キノコを食べて死去。おどろおどろしい旋律が流れます。森では次の王様を誰にするかの会議が開かれました。とある長老が、人間の世界のこともよく知っているババールがいいのではないかと提案、了承されます。ババールもこれを受けて王様になることになりました。

ババールは森へ帰ってくる車の中でセレストと婚約していた、いつのまに…。というわけでババールの結婚式と戴冠式を同時に行うことになりました。鳥たちが森じゅうにゲストを招待に出かけ、盛大にパーティーが行われます。夜が来て、動物たちは踊り疲れてぐっすり、ババールたちも幸せに眠るのでした、おしまい。

いかがですか?ちょっと駆け足でご説明しましたが、けっこうすごい話ですよね。この話には植民地支配の正当化など裏の意味があるのだ!なんていう批判もあるようですが、とにかくこのファンタジーの世界にオーケストラの演奏とともに浸っていただけたら幸いです。

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